退職理由が「給料が安いから」のとき面接でどう伝える?言い換え例文3選
転職理由の本音として最も多いもののひとつが「給料が安いから」です。ただ、面接でそのまま口にしてよいのか、迷う人は少なくありません。この記事では、給与が理由の退職を面接でどう言語化するかに絞って、言い換えの考え方と例文をbefore/after形式で紹介します。退職理由の伝え方全般の組み立ては面接で「退職理由」を聞かれたときの答え方で解説しているので、あわせて参考にしてください。
「給料が安いから」は正直に言ってよいのか
結論からいえば、給与への不満を退職理由に含めること自体は不自然ではありません。国税庁「民間給与実態統計調査」(令和5年分)によると給与所得者全体の平均給与は約460万円で、自分の年収がこの水準や同年代の相場と比べて低いと感じたとき、転職を考えるのは合理的な判断です。
問題は「言い方」です。面接官が気にしているのは、給与に不満があるという事実そのものではなく、次の2点です。
- 不満を他責的に語る人ではないか
- 「条件が良ければどこでもよい」タイプで、入社後も条件次第ですぐ辞めないか
つまり、給与の話を「不満」のまま伝えるか、「働き方の軸」に変換して伝えるかで、同じ本音でも印象は大きく変わります。事実を偽る必要はありません。同じ事実をどの角度から語るかを設計するのが、この記事のテーマです。
なお、給与理由を完全に隠して別の理由だけを話すのもおすすめしません。面接では条件面の希望を聞かれる場面が別にあり、そこで提示する希望年収と退職理由の説明が食い違うと、かえって一貫性を疑われるためです。
言い換えの軸は「貢献と評価の連動」
給与理由をポジティブに変換するときの軸はシンプルで、「もらえる額への不満」ではなく「貢献と処遇の連動」を語ることです。
- 成果を出しても処遇に反映されない → 成果が処遇に反映される環境で働きたい
- 昇給の基準が見えない → 評価基準が明確な環境で目標を持って働きたい
- 役割が増えたのに給与が変わらない → 役割と責任に見合った処遇の下で貢献したい
「自分は貢献してきた。その貢献が評価・処遇と連動する会社で、より高い成果を出したい」という構図にすると、給与の話が「意欲の話」に変わります。
before/after 言い換え例文3パターン
パターン1: 成果を出しても昇給しなかった場合
Before: 給料が安く、頑張っても昇給しなかったので辞めました。
After: 営業として3年連続で目標を達成してきましたが、現職では成果と処遇の連動が仕組み化されていませんでした。成果が評価に反映される環境で、より高い目標に挑戦したいと考え転職を決めました。
パターン2: 役割が増えたのに給与が変わらなかった場合
Before: 仕事は増える一方なのに給料が上がらず、割に合わないと感じました。
After: 後輩の育成やチーム運営など役割の幅が広がり、その経験は自分の財産になりました。次は、担う責任の大きさと処遇が連動する環境で、マネジメント側の経験をさらに積みたいと考えています。
パターン3: 業界・会社の給与水準自体が低い場合
Before: 業界全体の給料が低いので、この業界に見切りをつけました。
After: 現職で身につけた顧客折衝のスキルは、より市場価値の高い領域でも活かせると考えています。長期的なキャリアと生活設計を見据えて、自分の強みをより高く評価していただける業界に挑戦したいと考えました。
いずれも共通するのは、①これまでの貢献・実績を先に述べる、②「処遇そのもの」ではなく「評価の仕組み・連動」を軸に語る、③志望先で何をしたいかにつなげる、の3点です。自分の状況に近いパターンを土台に、実績部分を自分の数字(達成率・担当件数・チーム人数など)に置き換えて練習しておくと、深掘り質問にも落ち着いて答えられます。
避けたいNGな伝え方
- 金額だけで完結させる:「年収があと100万円高ければ辞めませんでした」のような言い方は、条件次第でまた辞める人という印象につながりやすくなります
- 前職の給与制度を批判する:「うちの会社は評価制度が終わっていて」など、前職を悪く言う形は他責的に聞こえます
- 実績とセットにしない:貢献の裏づけなしに処遇への不満だけを語ると、単なる待遇要求と受け取られやすくなります
- 生活事情だけを理由にする:「家のローンがあるので」など事情面のみの説明は、共感は得られても「この人を採る理由」にはつながりにくい伝え方です
なお、希望年収の話は退職理由の場面で自分から詳細に切り出すより、質問されたときや条件面談で伝えるのが一般的です。切り出し方は年収交渉の切り出し方で詳しく解説しています。
伝える前に「適正年収」を把握しておく
給与理由の転職で軸になるのは、「今の年収が市場相場と比べてどうか」という客観的な根拠です。相場より低いことが分かれば、言い換え例文にも「市場価値に見合った評価を受けたい」という説得力が生まれます。
年収UPシミュレーターでは、年齢・現在の年収・業種・職種などを選ぶだけで想定年収レンジを無料でチェックできます。面接や年収交渉の前に、自分の立ち位置を確認しておきましょう。そもそも転職で年収が上がりやすい人の特徴は転職で年収は上がる?も参考になります。
よくある質問
Q. 「給料が理由」と言うと、それだけで不利になりますか。 給与理由そのものが減点対象になるとは限りません。多くの面接官は理由の内容より「語り方」を見ています。実績とセットで「貢献と評価の連動」を軸に語れれば、むしろ向上心として受け取られることもあります。
Q. 本当の理由が給料だけの場合、他の理由を作るべきですか。 事実と異なる理由を作るのは、深掘りされたときに矛盾が出やすくおすすめできません。給与への不満の背景には「評価されたい」「将来設計に不安がある」といった動機があるはずなので、その動機の部分を言語化するのが現実的です。
Q. 40代でも同じ伝え方でよいですか。 基本の構図は同じですが、40代は即戦力性や再現性がより重視されるため、実績の裏づけを具体的な数字で語る比重を高めるのがおすすめです。詳しくは40代の転職で年収はどうなる?を参考にしてください。
※本記事は一般的な傾向をまとめたものであり、個別の転職結果や年収を保証するものではありません。